このチュートリアルでは、FIWARE に接続する IoT デバイスでの MQTT プロトコルの使用 を紹介します 。以前のチュートリアル で作成し た 、UltraLight 2.0 IoT Agent は、Mosquitto message broker を介して MQTT を使用して一連のダミー IoT デバイスと通信するように再構成されます。
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"With the technology at our disposal, the possibilities are unbounded. All we need to do is make sure we keep talking."
— Stephen Hawking
"MQTT は、IoT (Internet of Things) で使用される、パブリッシュ・サブスクライブ・ベ ースのメッセージング・プロトコルです。これは TCP/IP プロトコルの上で動作し、"小 規模なコードのフットプリント"が必要な、またはネットワーク帯域幅が制限されている 遠隔地との接続用に設計されています。目標は、帯域幅効率が良く、バッテリ電力をほと んど消費しないプロトコルを提供することです。"1
以前のチュートリアル では、デバ イスとの IoT Agent 間の転送メカニズムとして HTTP を使用していました。HTTP は、各 デバイスが IoT Agent に直接接続するリクエスト/レスポンスのパラダイムを使用します 。MQTT は、パブリッシュ・サブスクライブがイベント駆動型であり、メッセージをクラ イアントにプッシュするという点で異なります。MQTT ブローカと呼ばれる、追加の中央 通信ポイントが必要です。このポイントは、送信側と正当な受信側間のすべてのメッセー ジのディスパッチを担当します。ブローカにメッセージを発行する各クライアントには、 メッセージへのトピックが含まれています。トピックはブローカのルーティング 情報です。メッセージを受信する各クライアントは、特定のトピックにサブスクライ ブし、ブローカは、一致するトピックを含むすべてのメッセージをクライアントに配 信します。したがって、クライアントはお互いに知り合う必要はなく、トピックにし か関係しません。このアーキテクチャは、データ・プロデューサとデータ・コンシューマ との間の依存性を伴わずに、スケーラビリティの高いソリューションを実現します。
2 つのトランスポート・プロトコルの違いの概要を以下に示します :
HTTP トランスポート | MQTT トランスポート |
---|---|
IoT Agent は IoT デバイスと直接通信します | IoT Agent は、MQTT Broker を介して間接的に IoT デバイスと通信します |
Request-Response のパラダイム | Publish-Subscribe のパラダイム |
IoT デバイスは、常に通信を受信する準備ができている必要があります | IoT デバイスは、いつ通信を受けるかを選択します |
より高い消費電力要件 | 低消費電力要件 |
UltraLight 2.0 IoT Agent は 、UltraLight 2.0 構文を使用してメッセージを送信または解釈するだけですが、複数の転送メカニズム を使用してメッセージを送受信するために使用できます。したがって、同じ FIWARE Generic Enabler を使用して、より幅広い範囲の IoT デバイスに接続することができま す。
Mosquitto は、このチュートリアルで使用する、すぐに利用 できるオープンソースの MQTT ブローカです。EPL/EDL の下でライセンスされています。 詳細は、https://mosquitto.org/ をご覧ください。
このチュートリアルの目的のために、一連のダミー IoT デバイスが作成され、Context
Broker に接続されます。使用されるアーキテクチャとプロトコルの詳細は
、IoT Sensors のチュートリアルに
あります。各デバイスの状態は、次の UltraLight デバイス・モニタの Web ページで確
認できます : http://localhost:3000/device/monitor
このアプリケーションは 、以前のチュートリアルで作成し たコンポーネントに基づいています 。Orion Context Broker と IoT Agent for UltraLight 2.0 の 2 つの FIWARE コンポーネントを使用します。アプリケーションが “Powered by FIWARE” と認定されるには、Orion Context Broker を使用するだけで十分です。Orion Context Broker と IoT Agent はオープンソースの MongoDB 技術を利用して、保持している情報の永続性を保 ちます。 また、前回のチュートリアルで作成したダミー IoT デバイスも使用します。ま た、オープンソースで、EPL/EDL で入手できる Mosquitto ブローカのインスタンスを追加します。
したがって、全体的なアーキテクチャは次の要素で構成されます :
- FIWARE Orion Context Broker は 、NGSI-v2 を使用して リクエストを受信します
- FIWARE
IoT Agent for UltraLight 2.0
は以下を行います :
- NGSI-v2 を使用し てサウス・バウンド・リクエストを受信し、MQTT Broker 用の UltraLight 2.0 のトピックに変換します
- 登録されたトピックについて MQTT Broker をリッスンし、測定値をノ ース・バウンドに送信します
- Mosquitto MQTT Broker は、必要に応じて MQTT ト ピックを IoT Agent と IoT デ バイスの間でやりとりする中央通信ポイントとして 機能します
- MongoDB データベース :
- Orion Context Broker が、データ・エンティティ、サブスクリプション、 レジストレーションなどのコンテキスト・データ情報を保持するために使用しま す
- IoT Agent がデバイスの URLs や Keys などのデバイス情報を保持するため に使用します
- MQTT 上で動作する UltraLight 2.0 プロトコルを使用して 、ダミー IoT デバイスのセ ットとして機能する Web サーバー
- このチュートリアルでは、コンテキスト・プロバイダの NGSI proxy は使用しま せん。これは以下を行います :
- 在庫管理フロントエンドは、このチュートリアルで使用していません。これは以
下を行います :
- 店舗情報を表示し、ユーザーがダミー IoT デバイスと対話できるようにします
- 各店舗で購入できる商品を表示します
- ユーザが製品を購入して在庫数を減らすことを許可します
要素間のすべての対話は TCP を介して HTTP または MQTT リクエストによって開始され るため、エンティティはコンテナ化され、公開されたポートから実行されます。
Mosquitto MQTT Broker, IoT デバイス, IoT Agent を接続するために必要な設定情報は
、関連する docker-compose.yml
ファイルの services セクションにあります :
mosquitto:
image: eclipse-mosquitto
hostname: mosquitto
container_name: mosquitto
networks:
- default
expose:
- "1883"
- "9001"
ports:
- "1883:1883"
- "9001:9001"
volumes:
- ./mosquitto/mosquitto.conf:/mosquitto/config/mosquitto.conf
mosquitto
コンテナは、2 つのポートでリッスンしています :
- ポート
1883
は、MQTT のトピックをポストできるように公開されています - ポート
9001
は、HTTP/Websocket 通信の標準ポートです
volumes の設定は、MQTT message broker のデバッグ・レベルを上げるために使用され る設定ファイルで す。
tutorial:
image: fiware/tutorials.context-provider
hostname: iot-sensors
container_name: fiware-tutorial
networks:
- default
expose:
- "3000"
- "3001"
ports:
- "3000:3000"
- "3001:3001"
environment:
- "DEBUG=tutorial:*"
- "WEB_APP_PORT=3000"
- "DUMMY_DEVICES_PORT=3001"
- "DUMMY_DEVICES_API_KEY=4jggokgpepnvsb2uv4s40d59ov"
- "DUMMY_DEVICES_TRANSPORT=MQTT"
tutorial
コンテナは、2 つのポートでリッスンしています :
- ポート
3000
が公開されているので、ダミー IoT デバイスを表示する Web ページ が表示されます - ポート
3001
はチュートリアルのアクセスのためだけに公開されているため、cUrl または Postman は同じネットワーク以外からも、UltraLight コマンドを作成できま す
tutorial
コンテナは、次のように環境変数によって設定値を指定できます :
キー | 値 | 説明 |
---|---|---|
DEBUG | tutorial:* |
ロギングに使用するデバッグ・フラグ |
WEB_APP_PORT | 3000 |
ダミー・デバイスのデータを表示する web-app が使用するポート |
DUMMY_DEVICES_PORT | 3001 |
コマンドを受信するためにダミー IoT デバイスが使用するポート |
DUMMY_DEVICES_API_KEY | 4jggokgpepnvsb2uv4s40d59ov |
UltraLight インタラクションに使用されるランダムなセキュリティキー - デバイスと IoT Agent 間のインタラクションの完全性を保証するために使用されます |
DUMMY_DEVICES_TRANSPORT | MQTT |
ダミー IoT デバイスによって使用されるトランスポート・プロトコル |
このチュートリアルでは、YAML ファイルで記述されている他の tutorial
コンテナの
設定値は使用しません。
IoT Agent for UltraLight 2.0
は 、Docker コンテナ内でインスタンス化できます。公式の Docker イメージは、Docker
Hub からタグ付けされた fiware/iotagent-ul
です。必要な構成を以下に示します :
iot-agent:
image: fiware/iotagent-ul:latest
hostname: iot-agent
container_name: fiware-iot-agent
depends_on:
- mongo-db
networks:
- default
expose:
- "4041"
ports:
- "4041:4041"
environment:
- IOTA_CB_HOST=orion
- IOTA_CB_PORT=1026
- IOTA_NORTH_PORT=4041
- IOTA_REGISTRY_TYPE=mongodb
- IOTA_LOG_LEVEL=DEBUG
- IOTA_TIMESTAMP=true
- IOTA_CB_NGSI_VERSION=v2
- IOTA_AUTOCAST=true
- IOTA_MONGO_HOST=mongo-db
- IOTA_MONGO_PORT=27017
- IOTA_MONGO_DB=iotagentul
- IOTA_PROVIDER_URL=http://iot-agent:4041
- IOTA_MQTT_HOST=mosquitto
- IOTA_MQTT_PORT=1883
iot-agent
コンテナは、Orion Context Broker の 存在に依存し、そのようなデバイス
の URLs 及び Keys としてデバイス情報を保持するために MongoDB データベースを使用
します。コンテナは 1 つのポートで待機しています :
- ポート 4041 は、チュートリアルのアクセスのためだけに公開されているため、cUrl または Postman は同じネットワーク以外からも、プロビジョニング・コマンドを作 成できます
iot-agent
コンテナは、次のように環境変数によって設定値を指定できます :
キー | 値 | 説明 |
---|---|---|
IOTA_CB_HOST | orion |
コンテキストを更新する Context Broker のホスト名 |
IOTA_CB_PORT | 1026 |
Context Broker がコンテキストを更新するためにリッスンするポート |
IOTA_NORTH_PORT | 4041 |
IoT Agent の設定および Context Broker からのコンテキスト更新の受信に使用されるポート |
IOTA_REGISTRY_TYPE | mongodb |
メモリまたはデータベースに IoT デバイス情報を保持するかどうかを指定 |
IOTA_LOG_LEVEL | DEBUG |
IoT Agent のログ・レベル |
IOTA_TIMESTAMP | true |
接続されたデバイスから受信した各測定値にタイムスタンプ情報を提供するかどうかを指定 |
IOTA_CB_NGSI_VERSION | v2 |
アクティブな属性の更新を送信するときにNGSI v2 を使用するように指定するかどうか |
IOTA_AUTOCAST | true |
Ultralight の数値が文字列ではなく数値として読み取られるようにする |
IOTA_MONGO_HOST | context-db |
mongoDB のホスト名 - デバイス情報を保持するために使用 |
IOTA_MONGO_PORT | 27017 |
mongoDB はリッスンしているポート |
IOTA_MONGO_DB | iotagentul |
mongoDB で使用されるデータベースの名前 |
IOTA_PROVIDER_URL | http://iot-agent:4041 |
コマンドが登録されたときに Context Broker に渡された URL。Context Broker がデバイスにコマンドを発行したときに転送 URL の場所として使用 |
IOTA_MQTT_HOST | mosquitto |
MQTT Broker のホスト名 |
IOTA_MQTT_PORT | 1883 |
MQTT Broker がトピックを受信するためにリッスンしているポート |
ご覧のように、MQTT トランスポートの使用は、2 つの環境変数 IOTA_MQTT_HOST
と
IOTA_MQTT_PORT
によってのみ制御されます。
物事を単純にするために、両方のコンポーネントが Docker を使用して実行されます。Docker は、さまざまコンポーネントをそれぞれの環境に 分離することを可能にするコンテナ・テクノロジです。
- Docker Windows にインストールするには 、こちらの手順に従ってくださ い
- Docker Mac にインストールするには 、こちらの手順に従ってください
- Docker Linux にインストールするには 、こちらの手順に従ってください
Docker Compose は、マルチコンテナ Docker アプリケーションを定義して実行する ためのツールです 。YAML file ファイルは、アプリケーションのために必要なサービスを構成するために使用します。つ まり、すべてのコンテナ・サービスは 1 つのコマンドで呼び出すことができます 。Docker Compose は、デフォルトで Docker for Windows と Docker for Mac の一部と してインストールされますが、Linux ユーザ はここに記載されている手順に従う必要 があります。
次のコマンドを使用して、現在の Docker バージョンと Docker Compose バージ ョンを確認できます :
docker-compose -v
docker version
Docker バージョン 18.03 以降と Docker Compose 1.21 以上を使用していることを確認 し、必要に応じてアップグレードしてください。
シンプルな bash スクリプトを使用してサービスを開始します。Windows ユーザは cygwin をダウンロードして、Windows 上の Linux ディスト リビューションと同様のコマンドライン機能を提供する必要があります。
開始する前に、必要な Docker イメージをローカルで取得または構築しておく必要があり ます。リポジトリを複製し、以下のコマンドを実行して必要なイメージを作成してくださ い :
git clone https://github.com/FIWARE/tutorials.IoT-over-MQTT.git
cd tutorials.IoT-over-MQTT
git checkout NGSI-v2
./services create
その後、リポジトリ内で提供される services Bash スクリプトを実行することによって、コマンドラインからすべてのサービスを初期 化することができます :
./services start
ℹ️ 注: クリーンアップをやり直したい場合は、次のコマンド を使用して再起動することができます :
./services stop
チュートリアルを正しく実行するには、ブラウザのデバイス・モニタページが表示されて いることを確認し、ページをクリックして cUrl コマンドを入力する前にオーディオを有 効にしてください。デバイス・モニタには、Ultralight 2.0 構文を使用して、ダミー IoT デバイスのアレイの現在の状態が表示されます。
デバイス・モニタは次の場所にあります : http://localhost:3000/device/monitor
まず、IoT Agent と ダミー IoT デバイスの役割を模倣し、MQTT を使用していくつかの メッセージを送受信します。このチュートリアルのこのセクションでは、いくつかのオー プン・ターミナルが必要です。
最終的にシステムによって正しく接続されると、IoT Agent は関連するすべてのイベント にサブスクライブし、センサの測定値の形式でノース・バウンドのトラフィックを待ち受 けます。したがって、すべてのトピックを対象にサブスクリプションを作成する必要があ ります。同様に、アキュエーターは、コマンドがサウス・バウンドで送信されたときにそ れ自体に影響を及ぼすイベントを受け取るために、単一のトピックにサブスクライブする 必要があります。コミュニケーションのラインが開いていることを確認するには、特定の トピックをサブスクライブして、メッセージが公開されたときに何かを受け取れるかどう かを確認します。
新しいターミナルを開き、次のように新しい mqtt-subscriber
の Docker コンテ
ナを作成します :
docker run -it --rm --name mqtt-subscriber \
--network fiware_default efrecon/mqtt-client sub -h mosquitto -t "/#"
ターミナルはイベントを受信する準備ができます。
ノース・バウンドの測定値を送信するセンサは、MQTT Broker へ測定値を公開して、 サブスクライバに送信することができます。センサはサブスクライバに直接接続する必要 はありません。
新しいターミナルを開き、次のように mqtt-publisher
の Docker コンテナを実行
してメッセージを送信します :
docker run -it --rm --name mqtt-publisher \
--network fiware_default efrecon/mqtt-client pub -h mosquitto -m "HELLO WORLD" -t "/test"
MQTT Broker が正常に機能している場合は、メッセージを別のターミナルで受信する必要 があります :
HELLO WORLD
MQTT サブスクライバを終了するには、次の Docker コマンドを実行します :
docker stop mqtt-subscriber
通信が MQTT Broker を介して行われたことを示すために、次のように mosquitto
の Docker コンテナのログを検査することができます :
docker logs --tail 10 mosquitto
1529661883: New client connected from 172.18.0.5 as mqttjs_8761e518 (c1, k0).
1529662472: New connection from 172.18.0.7 on port 1883.
1529662472: New client connected from 172.18.0.7 as mosqpub|1-5637527c63c1 (c1, k60).
1529662472: Client mosqpub|1-5637527c63c1 disconnected.
1529662614: New connection from 172.18.0.7 on port 1883.
1529662614: New client connected from 172.18.0.7 as mosqsub|1-64b27d675f58 (c1, k60).
1529662623: New connection from 172.18.0.8 on port 1883.
1529662623: New client connected from 172.18.0.8 as mosqpub|1-ef03e74b0270 (c1, k60).
1529662623: Client mosqpub|1-ef03e74b0270 disconnected.
1529667841: Socket error on client mosqsub|1-64b27d675f58, disconnecting.
IoT Agent が動作しているかどうかは、公開されているポートに対して HTTP リクエスト を行うことで確認できます :
curl -X GET \
'http://localhost:4041/iot/about'
レスポンスは次のようになります :
{
"libVersion": "2.6.0-next",
"port": "4041",
"baseRoot": "/",
"version": "1.6.0-next"
}
Failed to connect to localhost port 4041: Connection refused
のレスポンス を受け取ったらどうしますか?
Connection refused
レスポンスを受け取った場合、IoT Agent がこのチュートリア ルで期待される場所には見つかりません。各 cUrl コマンドの URL とポートを正しい IP アドレスで置き換える必要があります。すべての cUrl コマンドのチュートリアル では、localhost:4041
で IoT Agent が使用可能であると想定しています。以下の対策を試してください :
- Docker コンテナが動作していることを確認するには、次のようにしてください :
docker ps
実行中の 4 つのコンテナが表示されます。IoT Agent が実行されていない場合は、必 要に応じてコンテナを再起動できます。このコマンドは、開いているポート情報も表示 します
docker-machine
と Virtual Box をインストールしている場合は 、Context Broker, IoT Agent および ダミー IoT デバイスの Docker コンテナが 別の IP アドレスで実行されている可能性があります。次に示すように仮想ホスト IP を取得する必要があります :curl -X GET \ 'http://$(docker-machine ip default):4041/version'または、コンテナ・ネットワーク内からすべての curl コマンドを実行します :
docker run --network fiware_default --rm appropriate/curl -s \ -X GET 'http://iot-agent:4041/iot/about'
IoT Agent は、IoT デバイスと Context Broker との間のミドルウェアとして機能します
。したがって、ユニークな ID を持つコンテキスト・データのエンティティを作成できる
必要があります。サービスがプロビジョニングされ、未知のデバイスが測定を行うと、デ
バイスが認識され、既知の ID にマッピングされない限り、IoT Agent は、 提供された
<device-id>
を使用してこれをコンテキストに追加します。
すべての IoT デバイス <device-id>
が常に一意であるという保証はないため、IoT
Agent へのすべてのプロビジョニングのリクエストには、2 つの必須ヘッダーが必要です
:
fiware-service
ヘッダは、特定のサービスのエンティティを別の mongoDB データ ベースに保持できるように定義されていますfiware-servicepath
は、デバイスのアレイを区別するために使用できます
たとえば、スマート・シティのアプリケーションでは、さまざまな部門 (公演、交通機関
、ごみ収集など) ごとに異なる fiware-service
ヘッダが必要であり、それぞれ
fiware-servicepath
が特定の公園などを参照します。これは、各サービスのデータと
デバイスが必要に応じて識別され、分離されることを意味しますが、データはサイロ化さ
れません。たとえば公園内のスマート・ビンのデータは、ゴミ箱 の GPS ユニッ
トと組み合わせて、効率的な方法でトラックのルートを変更することができます。
スマート・ビンと GPS ユニットは、さまざまなメーカから来る可能性が高く、
使用される <device-id>
s に重複がないことは保証できません。fiware-service
ヘ
ッダ と fiware-servicepath
ヘッダの使用は、 これが常に当てはまることを保証し
、Context Broker がコンテキスト・データの元のソースを識別することを可能にします
。
グループのプロビジョンを呼び出すことは、常にデバイスを接続する最初のステップです 。MQTT 通信では、プロビジョニングによって認証キーが提供されるため、IoT Agent は サブスクライブするトピックを認識します。
すべてのデバイスにデフォルトのコマンドと属性を設定することもできますが、このチュ ートリアルでは各デバイスを個別にプロビジョニングするため、これは行われません。
この例では、匿名のデバイス・グループをプロビジョニングします。IoT Agent に、一連
のデバイスが /4jggokgpepnvsb2uv4s40d59ov
トピックにメッセージを送信して通信す
ることを通知します。
HTTP 通信が使用されていないため、resource
属性は空白のままになります
。cbroker
の URL の場所はオプションの属性です。IoT Agent が提供されていない場
合、 IoT Agent は設定ファイルで定義されているデフォルトの context broker URL を
使用しますが、完全性のためにここに追加されています。
curl -iX POST \
'http://localhost:4041/iot/services' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"services": [
{
"apikey": "4jggokgpepnvsb2uv4s40d59ov",
"cbroker": "http://orion:1026",
"entity_type": "Thing",
"resource": ""
}
]
}'
エンティティを作成するときは、NGSI-LD 仕様に 従って URN を使用するのが一般的な良い方法です。さらに、データ属性を定義するとき に意味のある名前を理解する方が簡単です。これらのマッピングは、デバイスを個別にプ ロビジョニングすることによって定義できます。
3 つのタイプの測定属性をプロビジョニングできます :
attributes
は、デバイスからのアクティブな読み取りですlazy
属性はリクエストに応じて送信されます。IoT Agent は測定結果を返すよう にデバイスに通知しますstatic_attributes
は、Context Broker に渡されるデバイスに関する静的なデー タ(リレーションシップなど)を示す名前です
注 : 個別 id が必要でないか、または集約されたデータが十分である場合は 、
attributes
は個別にではなくプロビジョニング・サービス内で定義できます。
curl -iX POST \
'http://localhost:4041/iot/devices' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"devices": [
{
"device_id": "motion001",
"entity_name": "urn:ngsi-ld:Motion:001",
"entity_type": "Motion",
"protocol": "PDI-IoTA-UltraLight",
"transport": "MQTT",
"timezone": "Europe/Berlin",
"attributes": [
{ "object_id": "c", "name": "count", "type": "Integer" }
],
"static_attributes": [
{ "name":"refStore", "type": "Relationship", "value": "urn:ngsi-ld:Store:001"}
]
}
]
}
'
リクエストでは、デバイス motion001
を URN urn:ngsi-ld:Motion:001
に関連付け
、コンテキスト属性 ccount
(これは Integer
と定義されています) を持つ デバイ
ス読み込み c
をマッピングします。refStore
は static_attribute
として定義さ
れ、デバイスを Store urn:ngsi-ld:Store:001
内に配置します。
リクエストのボディに transport=MQTT
属性を追加するだけで、IoT Agent に測定を受
け取るために、/<api-key>/<device-id>
トピックに登録する必要があることを通
知するのに十分です。
次のトピックに MQTT メッセージをポストすることで、モーション・センサ の
デバイス motion001
からのダミー IoT デバイスの測定値をシミュレートできます。
docker run -it --rm --name mqtt-publisher --network \
fiware_default efrecon/mqtt-client pub -h mosquitto -m "c|1" \
-t "/4jggokgpepnvsb2uv4s40d59ov/motion001/attrs"
-m
パラメータの値によってメッセージが定義されます。これは Ultra Light の構 文です-t
パラメータの値によってトピックが定義されます
トピックは、次の形式でなければなりません :
/<api-key>/<device-id>/attrs
注 以前のチュートリアルで 、モーション・センサと IoT Agent との間の HTTP 接続性をテストするとき、同様の ダミー HTTP リクエストが送られて、
count
値が更新されました。今回は、IoT Agent が MQTT トピックをリッスンするように構成されており、MQTT トピックにダミ ー・メッセージをポストする必要があります。
MQTT トランスポート・プロトコルを使用する場合、IoT Agent は MQTT トピ ックをサブスクライブし、デバイス・モニタは各トピックに送信されたすべての MQTT メッセージを表示するように構成されます。効果的に Mosquitto が送受信する リスト・メッセージを表示します。
MQTT を介して接続された IoT Agent を使用して、サービス・グループはエージェントが サブスクライブしているトピックを定義しています。api-key がトピックのルー トと一致するので、モーション・センサからの MQTT メッセージは、以前にサブスク ライブした IoT Agent に渡されます。
特にデバイス (motion001
) をプロビジョニングしたので、IoT Agent は、Orion
Context Broker でリクエストを発行する前に属性をマップできます。
Context Broker からエンティティ・データを取得することで、測定値が記録されたこと
確認できます。fiware-service
ヘッダと fiware-service-path
ヘッダを追加する
ことを忘れないでください。
curl -X GET \
'http://localhost:1026/v2/entities/urn:ngsi-ld:Motion:001?type=Motion' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /'
{
"id": "urn:ngsi-ld:Motion:001",
"type": "Motion",
"TimeInstant": {
"type": "ISO8601",
"value": "2018-05-25T10:51:32.00Z",
"metadata": {}
},
"count": {
"type": "Integer",
"value": "1",
"metadata": {
"TimeInstant": {
"type": "ISO8601",
"value": "2018-05-25T10:51:32.646Z"
}
}
}
}
レスポンスは、id=motion001
のモーション・センサのデバイスが IoT Agent によ
って正常に識別され、エンティティ id=urn:ngsi-ld:Motion:001
にマッピングされて
いることを示します。この新しいエンティティは、コンテキスト・データ内で作成されま
した。ダミー IoT デバイスの測定リクエストからの c
属性は、コンテキスト内のより
意味のある count
属性にマップされています。お気づきのように、TimeInstant
属
性がエンティティと属性のメタデータの両方に追加されました。これはエンティティと属
性が最後に更新された時刻を表し、IOTA_TIMESTAMP
環境変数が IoT Agent の起動時に
設定されます。
アクチュエータのプロビジョニングは、センサのプロビジョニングと同様です
。transport=MQTT
属性は、使用される通信プロトコルを定義します。MQTT 通信の場合
、endpoint
は、デバイスがコマンドをリッスンしている HTTP url がないため、属性
は不要です。コマンドのアレイは、/<api-key>/<device-id>/cmd
トピックに送信
されるメッセージに直接マップされます。commands
アレイには、呼び出すことができ
る各コマンドのリストが含まれています。
以下の例では、deviceId = bell001
のベルがプロビジョニングされています。
curl -iX POST \
'http://localhost:4041/iot/devices' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"devices": [
{
"device_id": "bell001",
"entity_name": "urn:ngsi-ld:Bell:001",
"entity_type": "Bell",
"protocol": "PDI-IoTA-UltraLight",
"transport": "MQTT",
"commands": [
{ "name": "ring", "type": "command" }
],
"static_attributes": [
{"name":"refStore", "type": "Relationship","value": "urn:ngsi-ld:Store:001"}
]
}
]
}
'
Context Broker を接続する前に、/v2/op/update
エンドポイントを使用して、IoT
Agent のノース・ポートに直接 REST リクエストを行うことで、IoT Agent からデバイス
にコマンドを送信できることをテストできます。Context Broker に接続すると、最終的
に Context Broker によって呼び出されるのは、このエンドポイントです。設定をテスト
するには、次のようにコマンドを直接実行します :
curl -iX POST \
http://localhost:4041/v2/op/update \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"actionType": "update",
"entities": [
{
"type": "Bell",
"id": "urn:ngsi-ld:Bell:001",
"ring" : {
"type": "command",
"value": ""
}
}
]
}'
デバイス・モニタのページを表示している場合は、ベル変更の状態も表示できます。
ベルを鳴らすコマンドの結果は、Orion Context Broker 内のエンティティにクエリする ことによって読み取ることができます。
curl -X GET \
'http://localhost:1026/v2/entities/urn:ngsi-ld:Bell:001?type=Bell&options=keyValues' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /'
{
"id": "urn:ngsi-ld:Bell:001",
"type": "Bell",
"TimeInstant": "2018-05-25T20:06:28.00Z",
"refStore": "urn:ngsi-ld:Store:001",
"ring_info": " ring OK",
"ring_status": "OK",
"ring": ""
}
TimeInstant
は、エンティティに関連付けられたコマンドが呼び出された時刻を最後に
表示します。リング・コマンドの結果を ring_info
属性の値で見ることができます。
コマンドと測定の両方を提供するデバイスをプロビジョニングするだけでは、リクエスト
のボディに attributes
属性と command
属性の両方を含む HTTP POST リクエストを
作成するだけです。再度、transport=MQTT
属性は、使用される通信プロトコルを定義
します。デバイスがコマンドをリッスンする HTTP url がないため、endpoint
属性は
必要ありません。
curl -iX POST \
'http://localhost:4041/iot/devices' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"devices": [
{
"device_id": "door001",
"entity_name": "urn:ngsi-ld:Door:001",
"entity_type": "Door",
"protocol": "PDI-IoTA-UltraLight",
"transport": "MQTT",
"commands": [
{"name": "unlock","type": "command"},
{"name": "open","type": "command"},
{"name": "close","type": "command"},
{"name": "lock","type": "command"}
],
"attributes": [
{"object_id": "s", "name": "state", "type":"Text"}
],
"static_attributes": [
{"name":"refStore", "type": "Relationship","value": "urn:ngsi-ld:Store:001"}
]
}
]
}
'
同様に、2 つのコマンド (on
および off
) と 2 つの属性を持つスマート・ラン
プは、次のようにプロビジョニングできます :
curl -iX POST \
'http://localhost:4041/iot/devices' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"devices": [
{
"device_id": "lamp001",
"entity_name": "urn:ngsi-ld:Lamp:001",
"entity_type": "Lamp",
"protocol": "PDI-IoTA-UltraLight",
"transport": "MQTT",
"commands": [
{"name": "on","type": "command"},
{"name": "off","type": "command"}
],
"attributes": [
{"object_id": "s", "name": "state", "type":"Text"},
{"object_id": "l", "name": "luminosity", "type":"Integer"}
],
"static_attributes": [
{"name":"refStore", "type": "Relationship","value": "urn:ngsi-ld:Store:001"}
]
}
]
}
'
プロビジョニングされたデバイスの完全なリストは、/iot/devices
エンドポイントに
GET リクエストを行うことで取得できます。
curl -X GET \
'http://localhost:4041/iot/devices' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /'
IoT Agent を IoT デバイスに接続すると、Orion Context Broker にコマンドが利用可能に なったことが通知されました。つまり、IoT Agent は、コマンド属性の コンテキスト・プロバイダ として自身を登録しました。
コマンドが登録されると 、以前のチュートリアルで実行 したように、IoT デバイスに直接 UltraLight 2.0 リクエストを送信するのではなく 、ベルを鳴らし、スマート・ドアを開閉し、スマート・ランプをオン/オフ に切り替えることができます。
IoT Agent のノース・ポートのすべての通信は、標準の NGSI 構文を使用します。IoT デ バイスと Iot Agent 間で使用されるトランスポート・プロトコルは、この通信レイヤと は無関係です。 効果的に、IoT Agent は、任意のデバイスを作動させるための既知のエ ンドポイントの単純化されたファサード・パターンを提供しています。
したがって、コマンドの登録と呼び出しをするこのセクションでは 、以前のチュートリアルのインス トラクションと重複しています
ring
コマンドを呼び出すには、コンテキスト内で ring
属性を更新する必要があり
ます。
curl -iX PATCH \
'http://localhost:1026/v2/entities/urn:ngsi-ld:Bell:001/attrs' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"ring": {
"type" : "command",
"value" : ""
}
}'
デバイス・モニタのページを表示している場合は、ベル変更の状態も表示できます。
open
コマンドを呼び出すには、コンテキスト内で open
属性を更新する必要があり
ます。
curl -iX PATCH \
'http://localhost:1026/v2/entities/urn:ngsi-ld:Door:001/attrs' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"open": {
"type" : "command",
"value" : ""
}
}'
スマート・ランプをオンにするには、on
属性をコンテキストで更新する必要があ
ります。
curl -iX PATCH \
'http://localhost:1026/v2/entities/urn:ngsi-ld:Lamp:001/attrs' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'fiware-service: openiot' \
-H 'fiware-servicepath: /' \
-d '{
"on": {
"type" : "command",
"value" : ""
}
}'
高度な機能を追加することで、アプリケーションに複雑さを加える方法を知りたいですか ?このシリーズ の他のチュートリアルを読むことで見 つけることができます :
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- Wikipedia: MQTT - サービス間のすべての メッセージのディスパッチを担当する MQTT ブローカーと呼ばれる中央通信ポイント