雑誌『WEB+DB PRESS』のPDFから単語の出現回数を数えました. 日本のWEB+DBの歴史を見える化しました. グラフをご覧ください.
言語ごとの出現回数です. WEB+DB PRESSで多く取り上げられている主要な7言語を数えました. 序盤2000年から2005年ごろまではJavaが圧倒的で,ついでPHP,Perlとの順序です. 2000年代後半から2010年代前半まではPHPやRubyが多くなっています. 2010年代後半からはRuby,Java,Swift,PHP,Pythonなど多様な言語が取り上げられています. ちなみに,Go言語はGoという単語を数えているだけのため,Go言語以外の文脈でも使われており,若干差し引く必要があります.
WEB+DB PRESSのもう一つのテクノロジーであるDBごとのグラフです. MySQL,PostgreSQL,Oracleを取り上げました. 創刊から2年ほどはPostgreSQLが多く取り上げていますが,それ以降はMySQLが多くなっています. それでもMySQL・PostgreSQLともに現在まで定期的に扱われています. 2000年代前半はまだオープンソースDBの信頼度が低かったためか,商用DBのOracleも扱われていました. RedisなどのNoSQLも数えはしたのですが,グラフ化するほどの出現頻度はなかったため除外しています.
JavaScriptのフレームワークも調べてみました. 2007年のVol.41でjQueryが取り上げられてからJavaScriptフレームワークが扱われ始めて,Node.jsからVue.jsやReactに主流が移っているように見えます. なおnodeは普通名詞ですのでNode.js以外の文脈でもカウントされています.
では2007年までの6〜7年間はなにが取り上げられているかを調べると,圧倒的にJavaでした. 隔月刊のJAVA PRESSも創刊されていて,同じく隔月刊のWEB+DB PRESSも実質的にJava雑誌でしたので,2ヶ月で交互にJava情報が提供される状態でした. しかしJAVA PRESSは2006年に休刊となってしまいます.
Javaの衰退に代わって普及したのがJavaScriptです. ここではなんちゃらScriptとの観点でグラフ化しました. JavaScriptとともにActionScriptも一時期頻繁に取り上げられましたが,こちらは衰退しました. 2013年のVol.75でTypeScriptが扱われ,以降はJavaScriptとTypeScript双方が扱われるようになっています.
WEB+DB PRESSでもインフラの話題は扱われています. AWSとDockerを数えてみました. AWSは2006年のVol.32,Dockerは2014年のVol.79が初出でした.
HTML関連も数えてみました. HTMLは創刊当初から現在までずっと扱われています. 一方XMLは創刊当初はHTML以上に扱われていましたが,現在はほとんど扱われていません. CSSは創刊当初からではなく2006年あたりから徐々に扱われてきたのが意外な感じがします.
WEB+DB PRESSのWEBであるWEBサーバを数えました. Apache,nginx,IISを数えました. ApacheはWebサーバとしてのApacheだけではなく,Apacheプロジェクトとしてもカウントされています. WebサーバのデファクトがApacheからnginxに移っていったのがわかります. IISはもはや知らないかたも多いでしょうがWindows用のWebサーバです. WEB+DB PRESS創刊当初はIISや.NETといったのWindows技術も多く扱われていました.
時代の移り変わりがわかりやすい技術としてバージョン管理も扱いました. CVS,SubVersion,Gitです. 2000年以前のCVS,2000年代のSubVersion,2010年代のGitとのバージョン管理技術の推移がわかります.
OSです. Windows,Linux,iOS,Androidです. 2010年のVol.57でのAndroid特集, 2011年のVol.61でのiPhone Android特集を境に, PCからスマホへのテクノロジーの移り変わりが明確です. macOSも数えていたのですが件数が少なかったため割愛しました. なおカウントのiOSにはCiscoのも含まれているかもしれません.
ブラウザです. chrome,firefox,safariを扱いました. 件数は最大でも80件で,他のグラフと比べて少なくなっています. 黎明期はInternet ExplorerやNetscapeが扱われていましたが,Internet Explorerは2単語で検索しにくかったことから除外しました. Netscapeも件数は多くありません.
技術とは若干離れますが,メディア関連の出現回数です. Google, Twitterが多くなっています. かつてはFacebookやyahooも多く扱われていました.
エディタです. トータルの回数としてはEclipseが圧倒的でした. vim?はviとvimの合計です. Emacsかvimかの宗教論争にならず, vscodeはもっと多いかと思いましたが正式名称のVisual Studio Codeが多いためか少なく, 意外でした.
- 雑誌『WEB+DB PRESS』のPDF版 Vol.1からVol.136まで
私は技術評論社のGihyo Digital Publishingから購入して入手しましたが, 2024年にVol.1からVol.136までの総集編が発売されました. 総集編の購入をお勧めします.
- pdftotext
インストールは https://ichibariki.com/entry/2016/04/16/153230 が参考になりました.
PDFからテキストに変換した1行に単語が含まれるかを判断しています. 1行に同じ単語が2回出現しても1回と数えますし,単語が複数行にまたがって分割されている場合には0となります. 正確な出現回数ではありません.
そもそもこのリポジトリに含まれているjpg画像を出力するためプログラム群ですので,実行する必要はありません. それでも実行したい場合は下記手順で
- web+db_press との名前でディレクトリを作成し,PDFを置いてください.ファイル名はVolの数値だけとします.
- to_text.sh を実行し,pdfからテキストファイルを抽出します.
- web+db_press_counter.sh > web+db_press_counter.csv を実行すると,CSVを出力します.
- CSVをExcelファイルに手作業で編集します
- Excelのグラフ機能でグラフを作成します
- ExcelのグラフをPDF形式で出力します
- PDFから画像作成は https://www.ilovepdf.com/ja/pdf_to_jpg を使います.
- 生成した画像ファイルをFireAlpaca で 編集 - キャンパスサイズ から、1520 x 980にリサイズします.